No5
●サケの旅
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■サケの旅レポート
No.5
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知床・羅臼サケの荷揚げ報告
鳥居 亮一さん
『今年はサケとイカが豊漁で活気があるから、朝の港へ行ってごらん』そんな地元の人の言葉に導かれ、カメラを抱えて朝6:00の羅臼港へ向かいました。港へ到着すると、既にたくさんの漁船が岸壁に着き、まさに荷揚げの真最中。作業の邪魔にならないように、また、荷揚げ風景がよく見えるように少しずつ場所を移動しながらの見学です。
船の中、何100尾ものサケがひしめき合っている魚倉にクレーンで網が降ろされると、次々とサケが詰め込まれ、揚げられて行きます。漁船から揚げられたサケは、待ち受ける人達の手によって次々とオス・メス、ブナ・ギンケ、大小別に選別され、小型のコンテナへ。その後、小型コンテナが満杯になると重さを計測、[♂B]、[♀B]などと表示された漁協の大型タンクへと入れられ、かき氷と水で充たされていきます。その間にもたくさんのフォークリフトがサケと氷で一杯になったタンクを抱え、所狭しと走り回り、ボーッとしていると後ろから轢かれてしまいそうな程の勢いでした。実際に事故も起きるという事ですから、無理もない話です。ウトロの港では、観光客が荷揚げ風景を背景に記念撮影する姿も多く見られ、後ろから来たフォークリフトのけたたましいクラクションに追い立てられる様子も、度々目に映りました。(それにしても、オバチャン観光客はなぜあんなにも図太いんでしょうね?)
そうこうしている内に多くのタンクはフォークリフトによって運ばれ、セリの時間に。たくさんの仲買人が市場内へ運ばれたタンクを前に、到底素人には解らない言葉を飛び交わせ、あっという間にセリ落とし、会社のラベルを貼って移動してしまいました。
次々とセリが終わると、再びフォークリフトが活発に走り始めます。1つずつタンクを抱え、場外に待機しているダンプまで運び、備え付けられているタンクの上まで持ち上げると、勢い良くサケを積み込み始めました。漁協のタンクの前面にはスライド式の吐出口があり、開けるとビニールの筒で出来た滑台を氷と共にサケが流れて行くという仕組みで、車載のタンクからは溢れた水が激しく流れ落ち、サケが満載されると、加工場に向かい走り去って行きました。
その後、小売店に行くと奥で重さを測り、オス・メス、メヂカ等の表示と値段の書かれたラベルが貼られ、続々と店頭に。“今年は豊漁”というだけあって、値段も安く、大型で美味しそうなサケがたくさん並んでいました。ホントは自分で買って食べたいものの、大きな魚を1人で消費出来る訳もなく、結局、実家等へ発送する為の購入に終わってしまいました。
いつもの事ながら、発送されて行く魚達を指をくわえて眺めているに止まってます。やはり、たくさんの人を集めて、現地でいろんな美味しい魚を腹一杯食べたいものですね。
●サケの頭
●サケのしっぽ
2001年10月6日、知床・羅臼にて。
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