さけ稚魚体験放流2000

●イベントレポート >>>HOME
さけ稚魚体験放流2000


 さけ科学館では、今年も5月4日・5日の2日間に渡って、恒例のサケ稚魚体験放流を実施しました。これは、私たちボランティアにとって、年に一度の一大イベントなのです。いつもは各々の活動をしているボランティアが、体験放流というイベントを、力を合わせて準備から運営までを大サポートしているのです!!今回は2日間で述べ21名のボランティアがスタッフとして活動しました。
 今回の体験放流参加者人数は、2日間で、大人(中学生以上)1,697名、小人1,391名、計3,088名です。
シロザケ稚魚の放流数は、計20,000尾。豊平川支流である真駒内川に放流しました。
 今回は体験放流の模様を、ボランティアの須藤永子さんにレポートしてもらいました。またボランティアでは最年少の、小学2年生石川海洋(みひろ)くんの感想文も特別公開しちゃいます!!
さけ稚魚の体験放流

 毎年5月4日・5日の2日間、北海道札幌市の真駒内公園にあるさけ科学館主催で、サケの稚魚の体験放流会が行われています。2000年の今年も昨年12月31日〜2000年1月11日にふ化したシロザケの稚魚のうち、約20,000尾が2日間の体験放流で海へと向かいました。事前の申込みや年齢制限・人数制限もなく、当日の開催時間内に訪れた人なら誰でも無料で参加可能です。

 5月4日
 ボランティアの集合時間より早く現地に到着したので少しの間、公園内を散歩しました。前日まで小雨が降っていた事もあり、川はやや増水し水も濁っていました。稚魚の体験放流会場にはきちんとロープが張られ、事故の予防がされていました。さけ科学館内の柳のしだれた枝の芽吹きが、まだ茶色い山を背景に風に揺られてとてもきれいでした。キタコブシの白い花がちらほらと観られましたが、桜はまだ咲いていませんでした。空模様がやや不安、雨が降らないことを祈りました。
 集合時間となり、スタッフがそろうと手際よくテントが張られ、テーブル、椅子、稚魚を入れる水槽など着々と準備がされていき、整う頃には数組の家族連れがちらほら会場に現れました。TV局の取材陣などもやってきました(毎年のように宣伝してくれます)。
 今年も稚魚の放流がはじまった!
 人並みはテンポ良く押し寄せ、スタッフは周囲の状況を見ながら配置に付きそれぞれの役割を果たしていきました。気が付くと空も次第に夏のような青空へと変わっていました。初日は、あっというまに体験放流終了時刻になっていました。

 5月5日
 朝から真夏のような日差しが照りつけていました。この日は、真駒内公園内でマラソン大会も行われるため、公園周囲の道路や駐車場が混雑していました。ランナーを背景にさけ稚魚の体験放流の2日目が始まりました。
 さけの稚魚は今まで、ボランティアが水槽から3匹くらいずつをすくい、プラスチックのコップに移し、それを来客者に手渡して放流してもらうという形をとっていました。しかし、自分で稚魚を網ですくいたいという希望がでていました。そこで今回は小さな水槽を用意し自分でやりたいという人には自分で3匹コップにすくいとってもらう、ということを試みました。とくに問題もなく、子供達も満足できた様子。川の対岸に行き放流したての稚魚を網ですくいとられるより、ここで稚魚すくいをし満足ならその方がいいでしょう?
 午後になると、放流会場付近に釣り人が数人現れました。放流の手伝いをしてくれていた子供が「何だか嫌な感じ」と、私が心の中で思っていたことと同じ事をつぶやきました。サケを釣っているわけではないにしても、せめて今日くらいは放流している人たちから見えないところで釣りをする位の配慮が欲しいなぁ。
 いろいろありましたが、2日間とも天気に恵まれ、事故もなく、無事2000年度のさけ体験放流は終了しました。2日間、たくさんの人の手の中から川へ稚魚が放たれました。放流場所近辺にかたまって隠れていた稚魚達も、夜には海を目指して長い長い冒険の旅に出発したことでしょう。きっと、帰って来てねというみんなの願いをしょって。
 
 今年は来客者の任意アンケートで、"さけ"でイメージする事や言葉などについて聞いてみました。予想通り(?)食べ物関係の事をイメージする人が多数でした(いくら・おむすび・ちゃんちゃん焼き等)。中には「サケを目の当たりにして食べることを連想するのは失礼だろう」と考え込む人もいました。
 私が北海道に来て感じたのは、北海道は畜産業・水産業などが身近で行われているせいか、原料から製品までの一連の過程を、自ら参加し自らの眼でみることができるということです。だからでしょうか、この牛がこのミルクや肉の素で、この海でつかまえたさけが刺身やおむすびの具になったりする、私たちは命を食べ物として頂いているという実感がわいてきます。
 さけが身近な魚である道民のさけのイメージは食べ物で道外の人のさけのイメージは木彫りの熊(サケをくわえたポーズのものが多いかららしいや北海道だったりするのかな?などと考えながらアンケートをとっていました。
 
 小学生の頃、国語の教科書に"さけの一生"というようなタイトルの文章があったような気がします。あのころはサケを川に放流することは本の中の世界だと感じていました。しかし、今では自分もその物語の登場人物であり、現実です。私はコンビニエンスストアでアルバイトをしていますが、常連のお客さんにサケの放流のことを話したら「小さい頃、行ったことあるよ。」となつかしそうに思い出を語ってくれました。

 来客者は小さい子供連れの家族だけではなく、学生の集団や若いカップル、老夫婦、散歩がてらに立ち寄ってくれた近所の人、仕事で道外に出ていて久しぶりに北海道に帰省したサラリーマンなどさまざまです。とてもよい北海道の思い出になると思います。形として手元には残らないけれど、自分の手から放した稚魚はやがて大人のさけになり、海から川へと帰って来るというロマンがあります。
こんな思いをぜひ体験してみませんか?

             2000年5月  ボランティア 須藤 永子


 5月5日金よう日にぼくは、おかあさんとおとうさんとでサケのちぎょの放流式の手伝いをしました。ぼくは、ちぎょをコップにいれるしごとをしました。たのしかったです。
                                        
石川 海洋(みひろ)くん
>>>イベントレポートTOP


自己紹介活動紹介募集要項イベントレポートアンケートさけ情報淡水生物情報局リンク
ギャラリー釣り自慢みんなの掲示板裏さけ科学館スタッフ紹介

 Copyright (C) 2000 -2005 Sapporo Salmon Museum Volunteer,All Rights Reserved.
inserted by FC2 system